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相続財産に借金があった時の対処法を解説

相続が発生した際に「借金も一緒に引き継いでしまうのではないか」と不安を感じる方は少なくありません。自宅や預金といったプラスの財産だけでなく、マイナスの財産である借金も相続の対象になるからです。

もし生前多額の借金を抱えていた場合、適切な手続きを行わなければ思わぬ負担を背負うことになりかねません。この記事では、相続に借金が含まれる場合の基本的な知識と対処法、注意点を弁護士がわかりやすく解説していきます。

相続が発生すると借金も相続する

結論から言うと、借金も相続の対象に含まれます。相続財産はプラスの財産(不動産・預貯金・有価証券など)だけでなく、マイナスの財産(借金や未払金)も含まれるからです。

法律上、相続が開始すると相続人は被相続人(亡くなった方)の権利と義務を包括的に引き継ぎます。そのため、住宅ローンや消費者金融からの借り入れ、税金の滞納なども引き継ぐことになります。

たとえば、親が亡くなった後に「借金の督促状」が届いて初めて多額の債務の存在を知るケースも少なくありません。このような事態を避けるためにも、相続が発生した際には、被相続人の財産状況を可能な限り早期に確認することが極めて重要です。

借金を相続したくない場合の対処法

借金の相続を避ける方法として、主に「限定承認」と「相続放棄」の2つの手続きが用意されています。

限定承認を行う

限定承認とは、相続によって得た財産の範囲内でのみ借金を相続する手続きです。つまり、プラスの財産の範囲を超える借金は負担せずに済みます。

たとえば、100万円の借金と50万円の財産がある場合、そのまま相続すると両方を引き継ぐことになるので、財産総額としては50万円のマイナスになってしまいます。一方で、限定承認を選択すれば、プラスの財産である50万円の範囲内でのみ借金を引き継ぐことになるので、残りの50万円は支払う必要がなくなります。

プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いか不明な場合や、亡くなった方の財産調査が難しい場合などで有効な選択となります。

相続放棄を行う

相続放棄は、すべての相続財産を引き継がないことにする手続きです。限定承認のように条件付きで借金を背負うこともなくなりますが、代わりに不動産や預貯金などのプラスの財産も一切受け取れなくなります。

多額の借金があることが明確な場合や、相続争いに巻き込まれたくない場合など、相続するメリットがない場合に有効な選択肢です。

相続放棄の流れ

相続放棄は、相続開始を知った日(原則として被相続人の死亡日)から3か月以内に、家庭裁判所に申述書を提出することで行います。

主な流れは次の通りです。

・相続財産と債務の有無を確認する
・必要書類(被相続人の戸籍謄本、申述書など)を準備する
・相続放棄の申述書を作成する
・管轄する家庭裁判所に申述書と必要書類を提出
・家庭裁判所が審理・受理
・相続放棄申述受理通知書が届く

相続放棄は家庭裁判所をとおして行う法的手続きです。期限内に手続きを行わず放置していると、法定単純承認とみなされ相続を承認したことになってしまうので、十分な注意が必要です。

相続放棄の注意点

相続放棄を検討する際は、いくつかの重要な注意点があります。

相続放棄の申述期限は3か月

相続放棄には「相続開始を知った日(原則として被相続人の死亡日)から3か月以内」という申請期限が設けられています。この期限を過ぎると、相続を承認したものとみなされ借金も負担することになります。

そのため、借金の有無が不明な場合であっても、速やかに財産調査を実施し、期限内に適切な判断を下す必要があります。

3か月を過ぎても相続放棄が認められるケース

例外として、被相続人に遺産がないと信じていた場合などでは、相続開始から3か月を過ぎた後でも相続放棄が認められることがあります。

ただし、期限後の相続放棄が認められるためには、遺産がないと信じたことにつき「相当な理由」が求められます。相当な理由の有無は、被相続人の生活状況や相続人との関係性など、具体的な事情を考慮して判断されます。

たとえば、生前に被相続人との付き合いがほとんどなく、長い間連絡が途絶えていた場合には、遺産が存在しないと信じていたことにも一定の合理性があるとされ、相続放棄が認められやすくなるでしょう。

借金だけを放棄することはできない

相続放棄を行うと、借金だけでなくすべての財産を放棄することになります。プラスの財産のみを相続し、借金だけを放棄することはできません。

相続放棄をしても保証人の返済義務は免除されない

たとえ相続放棄をしても、被相続人の借金の「保証人」として契約していた場合は、その保証債務は残ります。

たとえば、生前に親の借金の連帯保証人になっていた場合、相続放棄をしても保証人としての返済義務は免除されません。

他の相続人とトラブルになることもある

相続放棄をすると、相続財産は次順位の相続人が引き継ぐことになります。相続により借金も背負ってしまうことになるため、ほかの相続人とのトラブルに発展する場合もあるでしょう。

こうしたトラブルを避けるためにも、相続放棄を検討する際は事前に他の相続人とよく話し合い、納得のいく合意形成を目指すことが大切です。

借金がある場合でも相続すべきケース

借金があるからといって、必ずしも相続放棄を選ぶ必要はありません。状況によっては相続する方が有利な場合もあります。

プラスの財産が借金を上回るケース

借金があっても、相続財産の総額が借金の額を上回っている場合は、相続を選択するほうがメリットが大きいです。

たとえば、不動産の評価額が300万円、預貯金が100万円あり、借金が200万円であれば、借金を返済しても200万円の財産が手元に残ります。このような場合、相続放棄をしてしまうと、結果的に損をしてしまう可能性があります。

このため、相続開始後は財産と負債の全体像を正確に把握し、プラスの財産が借金を上回っているかどうかをしっかり確認したうえで、相続放棄や限定承認などの手続きを検討することが大切です。

限定承認を活用できるケース

財産の内容や借金の全容が不明な場合には、限定承認を活用するのも有効です。万が一、借金が多かった場合でも、プラスの財産の範囲内でしか返済義務が発生しないため安心感があります。

故人に借金があったときの注意点

借金の相続問題では、次のようなポイントにも注意が必要です。

住宅ローンでは団体信用生命保険への加入を確認する

住宅ローンの契約時に団体信用生命保険(団信)に加入している場合、ローン残高は死亡時に保険金で完済されます。遺族がローンを引き継ぐ必要がなくなるため、わざわざ相続放棄を検討する必要もなくなります。

住宅ローンが残っている場合は、まず団信の有無を確認しましょう。

時効が成立している可能性を疑う

消費者金融などの借金には時効があります。通常、最後の返済から5年以上が経過していれば時効が成立している可能性があり、時効が成立している借金については返済義務がなくなります。
(但し、消滅時効援用の意思表示が必要です。)

故人の借金の請求が来た場合でも、まず時効の成立を確認することが大切です。

過払い金が戻ってくる可能性も考慮に入れる

過去に高金利で借り入れをしていた場合、払い過ぎた利息が過払い金として戻ってくることがあります。

長期間にわたりクレジットカードのリボ払いや消費者金融からの借り入れを続けていた場合、過払い金が多額になっていることも珍しくありません。過払い金の返還請求が認められれば、借金が減額されるだけでなく、借金を完済してもなお余剰がある場合には、その余剰分が過払い金として相続人の手元に戻ってくることもあります。

そのため、相続で借金が判明した場合は、過払い金の有無を専門家に確認してもらうことが重要です。

遺産分割協議をしても借金の返済を要求されるケースもある

遺産分割協議は、相続人同士で遺産の分け方を話し合う手続きです。しかし、借金について「自分は返さない」などの取り決めをしても、債権者はその話し合いに従う必要はありません。

つまり、債権者は民法で定められた法定相続分に応じて、各相続人に対して借金の返済を請求することができます。家族間の合意だけでは、借金の返済義務を免れることはできないのです。

遺産分割協議だけで借金の問題を解決しようとすると、あとから思わぬ請求やトラブルに巻き込まれることがあるため、注意が必要です。

まとめ 借金を相続したら早めに相続放棄の検討を

借金を含む相続では、早めの判断が何より重要です。借金が判明した段階で相続財産全体を調査し、相続放棄や限定承認といった選択肢を検討することで、不要なリスクを避けられます。

専門知識が求められる場面も多いため、弁護士など専門家への相談を早めに行うと安心です。後悔しない相続のためにも、まずは落ち着いて状況を把握し、早めの対応を心がけましょう。

相続に関する借金問題でお困りの際は、”ちば松戸法律事務所”まで、ぜひお気軽にご相談ください。

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